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もてなしのこころ、どこまでも

言葉のごちそう : 2021年08月01日(日)



職場の先輩から、とても良い番組を見たよ。再放送があるから観てと言われた番組。それがNHK、プロフェッショナル仕事の流儀。


早速テレビを観た。

今回のテーマは、ホテルグランドハイアット東京」コンシェルジュ 阿部 佳さんの「もてなしの心 いつまでも」。この道22年のベテラン阿部佳。“攻め”のもてなしで予想を超えた満足を生み出してきた。多忙の師走(12月)を乗り切れるか。超高級ホテルの舞台裏を紹介してもらった。

ホテル400室。滞在客の7割は外国人という。1日300件を越える多彩な要望(主にレストランや交通手段)に、スタッフ達が総力戦で応えていく。客の要望に出来ないということが無いという。番組では「観光地には無い風情をもった場所にあるラーメン店」という客の要望に、応えていく阿部さんの姿が描かれていた。

客の気分を想像して、情報を進めるという。そして質問を重ねて行く中でどうすれば確実に満足へと導けるかを考えるという。そしてこうすればできるという答えを見つけてお客が喜ぶ顔を見るとき仕事の醍醐味を感じるという。始めの頃は、客にとって一番良いものを出せなかった、引き出せなかったという、自分の力不足を感じたという。そしてそこに正解はあると言い切る。

阿部佳がコンシェルジュという仕事に出会ったのは中学1年の頃。父親の出張に付いてスイス・チューリヒを訪れた時のこと。だが阿部が大学を卒業する頃、日本のホテルでコンシェルジュを置く所はほとんどなかった。

社会人になって10年目、横浜にオープンする外資系ホテルがコンシェルジュを募ると聞き、迷わず飛び込んだ。だが見よう見まねで始めるサービスは想像以上に難しかった。相手の心を読み解く仕事。どうすれば確実に満足に導けるのか。1年を過ぎたある日、米国から来た家族がホテルに長期滞在することになった。以来、毎日欠かさずおすすめスポットやレストランを紹介することになった。家族が帰国する時花束と共に一通の手紙を渡された。「最高のコンシェルジュだと」

お客様と向き合うのでなくお客様と同じ方向を見て、お客様が何を望んでいるのか、言葉にならないものをイメージし、提案する。もちろん自分と同じではないので、それを気に入っていただけるかは分からない。失敗を恐れない。そういった挑戦の経験からしか、得られないものがある。その姿勢で、昨日よりも今日、今日よりも明日と、重ねていく。努力の大切さと一途さを学んだ。