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「私らしいライフプラン、そして生き方」講演会

キャリア開発 : 2023年03月12日(日)

3月12日(日) 宮崎市男女共同参画センターパレットにて、プレストセンターさがらクリニック宮崎 院長池田奈央子さんによる標記講演会が開催され参加しました。

池田さんは、地元高校を卒業後、筑波大学医学専門学群へ進学され、医師となり20年目を迎えるとのことでした。
講演会では、医師を目指したきっかけは「憧れ」で、なりたいと思ったことで、医師を目指せたと話してくださいました。

初期研修医1年目の初日「乳腺外科医」になりたいと上司に伝え、それから2ヶ月ほどある日、当時の指導医から「乳がんの手術を担当させてやる(俺たちは助手としてサポートして・・・中略)頑張ってみるかと言われた。

その後、手術も完遂。池田さんは、若い頃に執刀を任せてもらえたことが貴重な経験・自信となったとのこと。池田さんの努力や能力はもちろんのこと、最初に伝えることで周りの理解を得、さまざまな経験ができることを感じました。

一方、現場では、外科医1人あたりの執刀数に男女格差があるといいます。男女間で技術の差はないとのことですが、先行モデルがいないと経験ができないとのこと。しかし近年、女性の割合が約30%増加しているとの報告がありました。

このような男女差(ジェンダーギャップ)についても、報告がありました。
2022年ジェンダーギャップ指数では、日本は146ヶ国中、116位。他の国が努力している間に、前回の80位から転落してのは残念に思いました。特に、女性の経済参画(同一労働における男女の賃金格差・管理的職業従事者の男女比・専門・技術社の男女比)、政治参画(国会議員の男女比・閣僚の男女比・最近50年における行政府の長の在任年数の男女比)が低いことが挙げられています。

このことから、女性の声が届きにくい、女性目線で物事が変わっていかない。特に、同一労働における男女の収入格差、管理職の女性割合の低さが目立つことは、女性が辞めやすい条件が揃ってしまうとのことでした。

海外での取り組み事例
現在、ジェンダーギャップ指数1位のアイスランドの状況です。
○父親育休取得率は80%以上!(日本は7%)
アイスランド(1位)
6ヶ月(母親)+6ヶ月(父親)+6週間(自由にシェア)
 その間の給与の8割は政府から支給、違反企業は政府が介入

・歴史
○1975年「女性の休日」
○1976年ジェンダー平等法
○2010年クオーター制(割り当て制)を導入(役員や委員の40%以上を女性とすること)
○男女同一労働・同-賃金を義務付ける法律(2016年10月)

男女平等でいいことがそんなにあるのか??
o男女が平等であればあるほど、幸福度が高い
⇒愛国心が生まれる、女性が自立しやすい

○ジェンダー平等の実現は、子どもの貧困率の低さにもつながる
(例)北欧で学費は無料、大学生は生活費が国からもらえる。
※授業は大変(覚悟が必要)

○ジェンダー平等の実現は、子どもの貧困率の低さにもつながる
⇒子供の貧困は親の経済力次第、とならない

○アイスランドの国内総生産(GDP)は4%以上の成長率を記録。
2020年はコロナ関連でマイナス成長となったが、2021年にはふたたび4.3%の成長率を見せている。(日本は1.6%)
⇒男女平等が経済成長の鍵となっている!? 

未来に向けて
・日本の女性の感覚・価値観は、専業主婦化した日本女性。男性は仕事、女性は家庭を守るとして発展した社会の成功体験を持っています。
漫画「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「ドラえもん」など、家庭モデルとなっている。

・問題は山積み、たとえば・・・
家庭:共働きなのに女性の家事分担が多過ぎ、思い込みを辞める。平等が当たり前。
教育:脱ジェンダー教育、「さん」づけ、ランドセルの色、男らしく女らしく→自分らしく、LGBTを知る。
職場:性差関係なく仕事をさせる→やる気を削がない、育児男性への理解→平等が当たり前に

最後に池田さんより、国への要望(国に、こう願う)
国として取り組まないとさらに差がつく!
○目標を真剣に達成していく国としての姿勢をみたい。
  例:2030年までに30%の女性の指導的地位
○ジェンダー平等・LGBT採用の企業を紹介・推奨して欲しい
  例:就活にも活用
○失業者対策を徹底してほしい。(失敗してもいい、と思える。)

以上、キャリアを活かす視点、そして女性のキャリアを促進する、強いては、この国をより良くするための取り組みについてお話いただきました。