「まかせる経営」重永 忠著(生活の木社長)。ある研修で事前に読了するように薦められた本である。
重永氏は買い物でスーパーマーケットの駐車場に車を止める際には、できる限り入り口から遠い場所に車を停めているとのこと。それは、入り口から近い場所を自分がひとつだけでも空けておけば、妊婦さんや身体の不自由な方、お年を召された方が利用しやすいからと書かれていた。
このような配慮と行動ができるには、利他のこころ、生活弱者への視点や視線があるからだろう。
お客様との共感、空気感、皮膚感覚、機微、感性を重視。マニュアルの限界を知り、マニュアルを越えた接客を求めている。一方で、合理的で緻密な経営感覚と厳しい視点、社員を家族と同じように思い、大切に育てていることが本から伝わってきた。
こうした強い思いと行動力が、「人、もの、金、情報」を活かし、消費者、社員、地域から求められる経営につながるのではないか、そんなエッセンスが詰まっている。