「ピンチをチャンスに変える(その1)」からの続きです。
では、どうやってその目標を達成すればよいか。
菅井さんの家には「進取の気性」という家訓のようなものがあったそうだ。ちなみに、進取の気性とは、従来の慣習にこだわらず,進んで新しいことをしようとする性格があふれているという意味。また、好きな言葉として「櫂より始めよ」がある。その意味は、事を始めるには、自分からやりださなければならない。人に言いつける前に自分が積極的に着手せよ、という意味です。つまり、人が困っていることを発見し、解決することでビジネスに繋がるということでした。
しかし、その問題を解決するスキルは自分自身にはあるのだろうか?
そこで菅井さんは、人間にはそれぞれ3つの資産、「金融資産」「不動産などの有形資産」「無形資産」があると説きます。この無形資産こそが、ビジネス力で給与や事業収入に繋がるもので、人脈や知識、スキル、何ができるかという能力、つまり稼ぐ力、管理する力、守る力が、自分の無形資産という考え方です。
どんな能力が自分に備わっているのだろう?
それは自分ではなかなか気付かないものであるといいます。何故なら、自分としては当たり前のことだと思っているから。それを知るには、これまで人に聞かれたことを教えたことで「ありがとう」と言われたことを思い出す。また、「好きなこと」、「得意なこと」が、人の困っていることを解決したことを思い出して欲しいという。例えば、お酒が好きで日本のブランドや産地と特徴を話せて、人によろこばれた経験があるなら、それが無形資産だということです。それを、仕事に生かせるように考えることが次の課題であるとのことでした。
ピンチは生きていく上で、避けられないもので、誰にでも襲い掛かるものだと思います。でもそのピンチに押されて、自分を見失ったり、失意で立ち上がれなくなったりするのは、嫌ですよね。そんな時、立ち止まってこのピンチをチャンスに変えるにはどうしたらいいのだろうと考えること、動くことのヒントがこの「発想の転換」だと思います。
〇〇だったらどう考えるのだろうかと他人目線で考える。もし自分が社長だったら・・。もし明日までしか生きられないとしたらなど、ちょっと視野を変えてみることで、意外なチャンスを手繰り寄せることができるかも。そんな気づきを与えてくれた菅井さんのお話でした。(次回はこちらお金の話です)