桃栗三年、柿八年、柚子の大馬鹿十八年。この言葉は、小豆島の坪井栄文学碑に、刻まれている。
桃も栗も食べられるが、柚子は食べられない。しかし柚子は料理に香り、他の食材をグンと引き立てる特別な力の持ち主でもある。柚子は9年目に花を咲かせるが、その9年後にしか実をつけない。なんと気の長いものだろうか。
植物も人も、せっかちに育ててはいけない。じっくりと待つ。いろんな存在があって世の中が回っている。だからそれぞれの人が輝く社会って大切なのだと思う。
(子ども達の楽しい遊び、美しい桜、瀬戸内海)
坪井栄といえば「二十四の瞳」。この映画は、1954年(昭和29年)に公開された松竹大船撮影所製作、木下惠介監督・脚本、高峰秀子主演作品。先日、DVDを借りた。モノクロ作品ゆえの、光と影。美しい小豆島の景色が脳裏に焼き付いている。そして同時に、高峰秀子の演技が光る作品でもある。
戦争や貧しさの中で、たくましく生きて抜いていく子ども達。いろんなヒントを与えてくれた映画だ。